こんにちは、松本治療院スタッフの水漉(みずこし)です。
先日の台風21号、および北海道胆振東部地震において、被害に遭われた地域の方々に心よりお見舞い申し上げます。
今回は、「ド・ケルバン病」についてのお話です。
あまり耳馴染みのない名前かもしれませんが、実は大変身近な症状である「腱鞘炎(けんしょうえん)」のひとつで「狭窄性腱鞘炎」とも呼ばれます。
痛みが発生するのは手首の親指側で、親指を広げたり伸ばしたりすると特に強く痛みを感じます。
では、そもそも腱鞘炎とは、どんな状態なのでしょうか?
ヒトの筋肉は骨に付着しているのですが、その付着部を「腱」と言います。
「腱鞘」というのは、この腱が複数本まとまって通過するトンネルのようなものです。
腱鞘があることによって、関節がスムーズに動かせるのですが、関節の使いすぎや、腱鞘が何らかの理由で分厚くなったり、狭くなったりすることで腱と腱鞘がこすれ合って炎症を起こした状態が腱鞘炎です。
手の親指を広げる作用を持つ「長母指外転筋」と、親指を伸ばす作用を持つ「短母指伸筋」という筋肉の腱が、手首の親指側で腱鞘に包まれています。
その部分で腱に炎症が起こり、痛みが発生するのが今回のテーマであるド・ケルバン病です。
このド・ケルバン病の診断方法に「アイヒホッフテスト」というテストがあるので、ご紹介します。
まず親指を他の指で握り込んだ状態にします。
親指側を上にした状態で、手首を小指側に曲げます(写真参照)。
この時、手首の親指側に痛みがある場合は、ド・ケルバン病の可能性が高いです。
ド・ケルバン病を含む腱鞘炎の最大の原因は、関節の使いすぎです。
料理で鍋やフライパンを振る、パソコンやスマホの操作、楽器の演奏やスポーツなど、同じ動作の繰り返しによって炎症が起こりやすくなります。
また、腱鞘炎は男性よりも女性がなりやすいという傾向があります。
それには女性ホルモンが関わっていると言われています。
女性ホルモンの一種である「エストロゲン」には、腱や腱鞘の炎症を抑える働きがありますが、出産後や更年期、閉経後に減少してしまいます。
このため、男性よりも女性の方が腱鞘炎にはなりやすいと考えられています。
施術ですが、最大の原因が使いすぎですので、まずは患部を安静に保つのが第一となります。
テーピングやサポーターで固定する場合もあるのですが、過度な固定は関節の拘縮(固くなってしまうこと)の恐れがあるので、注意が必要です。
鍼灸の施術では、関連する筋肉に鍼やお灸をして緊張をゆるめ、関節への負担を減らしていきます。
手首や指の痛みを感じたら、早めにご相談ください!
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