先日、テレビを観ていたら、ある会社の取り組みで「2万回ルール」なるものが紹介されていました。
どういうルールかというと、
「上司や同僚に、仕事のことで2万回まで同じ質問をして良い」
というものでした。
まず、個人的にネーミングが好きです。
落としたものを拾って食べる「3秒ルール」のようで、どことなく楽しい感じを受けます。
その上で「同じ質問を何回してもいいんだよ」と伝わる、グッド・ネーミング。
私も日ごろ、このような気持ちで仕事をしたいと思っているので、とても共感できるものでした。
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2万回ルールの経営者の方は、以前は全く逆だったとのことです。
社員がミスしたら罵声をあびせるのが日常で、ある時、上司のそのような態度に不満を持った社員たちが、集団退職してしまったそうです。
中には「お前と働きたくないから辞めるんだ」と言い残す人もいたとか。
社員がいっぺんにいなくなり、ショックを受ける中、経営者の勉強会に行って相談すると、
「指先が自分の方に向いていない」
と彼は指摘を受けました。
指先を相手に向むけ、人のせいにするばかりでは誰もついてこない。
言ってもミスが無くならないのは受け取る側の問題だけではなく、伝える側の自分にも「伝え方が悪い」という原因があるのではないか。
そう思うようになり、2万回ルールを作るなどの取り組みをして、パワハラ的だった会社の雰囲気も穏やかに変わりました。
そして、「社員がいきいきと働いている会社」とテレビで紹介されるまでになったのです。
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「指先を自分に向ける」で思い出されるのが、「人間関係の問題は半分ずつ」という考え方です。
例外はあるものの、夫婦げんかなどでも、どちらかだけが一方的に悪いということはあまり無く、どちらもちょっとずつ非がある場合が多い。
全部を相手のせいにしても、全部を自分のせいにしても、どちらかがとても苦しくなる上に、問題の解決に近づきにくい。
仕事のミスにしても、本人の不注意などが半分。
もう半分は、先輩や上司の教え方がわかりにくいとか、できるまで何度も伝える根気が足りなかったとか、そもそも職場の仕組みにミスが起こりやすい要素がある、といったことが考えられます。
私の場合は、わりと何でも100%自分のせいと考えがちで苦しい感じですが、「半分ずつ」の考えで気持ちが軽くなります。
「まずは半分である自分側はどんな改善ができるかな?」
松本治療院の職場内も、このように話し合える文化ができるといいなと思います。
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半分と言えば、鍼灸師の先輩から、
「我々が患者さんの健康に対してできるのは50%まで」
という話を聞いたことがあります。
「鍼灸によって患者さんの筋肉をゆるめたり、自己治癒力を活性化させたりすることはできる。
それが鍼灸師である我々の50%。
残りの50%は、患者さんのライフスタイル。
極端な話、お酒をめちゃくちゃに飲んでいたり、徹夜ばかりしていたり、ひどいストレスを抱えているなどでは、治りにくくなる」
という話でした。
食生活や姿勢、運動習慣のアドバイスなど、ライフスタイルに関われる部分が少しはあるものの、仕事が忙しすぎるなど私たちがお手伝いできないことも確かに多いです。
それでもなお、まずは私たちができる50%に、自分の全力を注いで施術をしていこうと思います。
(松本)
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