こんにちは、松本治療院スタッフの水漉(みずこし)です。
当院には、鍼灸治療を受けるのが全くの初めてという方が多数来院されます。
近年、テレビ番組などで鍼灸が取り上げられる機会が増え、関心を持ったという方もいらっしゃるようです。
とはいえ、日本の年間の鍼灸受療率は5~7%と言われており、非常に低い数字となっているのが現実です。
今回は、鍼灸治療を受けたことがない人にも関心を持ってもらえるような「鍼灸あれこれ」をお話してみようかと思います。
「鍼(はり)」って痛いの?お灸って熱いの?
鍼灸治療を受けたことがない人がまず気になるのが「鍼は痛いの?」「お灸は熱いの?」ということですよね。
まず鍼ですが、滅菌処理をされた使い捨て(ディスポーザブル)タイプのものを使用しています。
患者さんごとに新しい鍼を使用し、治療後すぐに廃棄しますので、衛生面は万全です。
太さも0.1㎜~0.3㎜程度と非常に細いので、ほとんど痛みはありません。
初めて鍼灸治療を受けた患者さんの多くが「思っていたよりも全然痛くない」と言われます。
次にお灸ですが、当院では「台座灸(だいざきゅう)」と呼ばれるものを主に使用しています。
お灸は「もぐさ(ヨモギの葉を乾燥させて、すりつぶしたもの)」を体に置き火をつけるのですが、
台座灸はこのもぐさを固めたものが台座の上に固定されており、火が直接体に触れないようになっているため、
火傷の心配はありません。
熱さも、心地よい温かさを心がけており、熱さを感じたらすぐにはずします。
(症状によっては「直接灸」といってもぐさを直接体に置く場合もありますが、その場合、熱さを直に感じるのと
どうしても体にお灸の痕が残ってしまうため、患者さんと相談・同意の上で行っていきます)
「ツボ」ってなに?
鍼灸治療でベースとなるのは「ツボ」ですが、正式には「経穴(けいけつ)」と言います。
この経穴に鍼を打ったり、お灸をすえたり、指圧をすることで、体のコリや痛みの緩和、不調の改善につながります。
物事の要点を見極め、理解することを「ツボを押さえる」と言いますが、それはここから来ているわけですね。
「ツボ」はいくつあるの?
ツボというと、なんとなく曖昧な概念のような気がしますよね。
しかし、実はWHO(世界保健機関)によって、経穴の数と場所がきっちりと定められています。
かつては日本、中国、韓国などで場所や名称にズレがあったのですが、2006年の国際会議でその数を361穴とし、
場所も統一されました。
現在では鍼灸師の養成機関(専門学校、大学)でも、このWHO方式に従って学んでいます。
ちなみに日本や中国などでは経穴の名称は漢字で表されます(「合谷(ごうこく)」「足三里(あしさんり)」など)が、
欧米ではアルファベット2文字+数字で表されています。
例えば、前述の「合谷」は「LI4」、「足三里」は「ST36」と表されます。
鍼灸はなぜ効くの?
鍼灸治療がなぜ痛みの緩和や体の不調の改善に効果があるのかについては、現在も研究がすすめられています。
一つの考え方としてお話しすると、体に鍼を打ったり、お灸をすえたりすると、その刺激に対する防御反応として脳内で
モルヒネ様物質が分泌されます。
このモルヒネ様物質には鎮痛・鎮静作用があり、痛みの緩和に働くと考えられます。
またこのメカニズムは自律神経にも働きかけ、そのバランスを整えてくれます。
それによって体の様々な不調の改善に役立つと考えられています。
海外でも注目される鍼灸治療
前々段で「欧米では」と書きました。
鍼灸治療というと日本、中国、韓国で行われているくらいかな、と思う方も多いでしょうが、実は世界各国で鍼灸治療は
行われているのです。
鍼は英語で「acupuncture」、お灸は「moxibustion」と言います。
アメリカには2万人を超える鍼灸師がいると言われており、鍼灸治療についての研究も日本よりも進んでいるほどです。
世界をめぐる豪華客船にも鍼灸師が船内スタッフとして乗船していますし、『泣く女』や『ゲルニカ』などの作品で有名なスペインの画家
パブロ・ピカソも、坐骨神経痛を鍼灸で治療していたという話も。
また最近ではアフリカの結核対策にお灸を、という活動も行われています。
このように鍼灸治療は世界各国で注目されているのです。
まだまだ鍼灸について語りたいことはあるのですが、今回はこれくらいで。
これまで鍼灸治療を受けたことがない方は少しでも関心を持っていただけるきっかけに、すでに鍼灸治療を受けたことがある方は
より一層関心を深めるきっかけになれば幸いです。
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