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こころに効くツボ①『ヤマアラシのジレンマ』

こんにちは。

「病は気から」という言葉は有名です。

患者の「患」、わずらうという字は、心に串が刺さっています。

肩こりや腰痛も、精神的ストレスで悪化することが科学的にも認められています。

私も毎日患者さん達と接していて、体の痛みと心の痛みは切り離して考えられないと感じています。

そこで心の面が整いやすくなるコツをお伝えすることで、心身両面の健康を維持してもらえればと思い、「こころに効くツボ」というテーマで書かせて頂きたいと思います。

第1回目は、距離感の話。

人間関係のストレスが発生する仕組みの中で、人と人との距離感のエラーが大きく絡む場合があります。

距離感のエラーは、家族、職場の同僚、学校のクラスメイトなど、物理的な距離が近く、関係性が濃い人ほど起こりやすいものです。

一人一人心地よい距離感は違うし、親や子供であっても言ってはいけない事や、踏み込んではいけない一線があります。

反対にお互いに無関心でいれば、近くにいても関係性そのものがなくなってしまいます。

距離感について考える時、ドイツの哲学者ショーペンハウエルの寓話「ヤマアラシのジレンマ」という話が参考になります。

寒空の下、二匹のヤマアラシがいる。

身を寄せ合って温まりたいが、トゲが刺さってしまう。

痛いので離れるが、やっぱり寒い。

近寄ったり離れたりを繰り返すうちに、トゲが刺さらないけどそれなりに温もりを感じられる距離を見つけていく。

 

こんな話ですが、人と人との距離感にとても似ていると感じます。

初めから思い切り距離を取ってしまえば痛みを感じることはないが、温かみも感じられない。

でも、近寄り過ぎると血が流れることもある。

初めからすぐに心地よい距離感が見つからず、時に傷つくことがあっても、あきらめずにトライ&エラーを繰り返せば、きっと見つかると私は思うのです。

その時、「相手への思いやり」というコーティングができれば、背中のトゲの先が丸くなったり、ゴム素材になったりして、相手を傷つけずに心地よい距離感を計れるようになっていくでしょう。

(松本)

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