私は日ごろから、同業者との交流をしています。

（ここ2年はリモートばかりですが…）

 

鍼灸師の先生方と、お互い質問し合ったり励まし合ったり全然関係ないバカな話をしたりと、とてもありがたい仲間たちです。

 

そんな仲間の一人に、たまに「松本先生ならどうしますか？」と質問をくれるA先生がいます。

 

そのA先生がある時、自分の鍼灸施術の方向性を見失っていました。

 

そんな状態で、松本治療院に施術を受けに来てくれた後…

「鍼灸師としての自分のスタイルに迷っていましたが、松本治療院でスタッフBさんの施術を受けて、迷いがなくなりました。

本当にありがとうございました」

と、感動のご感想をいただきました。

 

その後、A先生は意欲を取り戻し、地域の人気鍼灸師としてご活躍されています。

 

その時のことをスタッフBに聞くと

「私は普段と同じようにやらせてもらっただけですが…」

とのこと。

 

嫌な気持ちではないにしても感動してもらえたと聞いて、ちょっとびっくりだったのではと思います。

 

手前味噌で恐縮ですが、スタッフBの『普段の施術』が、しっかりしたものだからと思います。

 

それにしても、何がその人にとってきっかけになるか分からないものですね。

 

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A先生とスタッフBのエピソードのようなこと、あなたにもありませんか？

 

自分は「いいことを言おう」とか「感動させよう」などと思ってなかった。

 

そんな自分にとって何気ないことを、相手はずっと大事なこととして覚えていてくれる。

 

反対に、人から言ってもらった大事な言葉が、相手にとっては「そんなこと言ったっけ？」ということもあります。

 

私の思い出としては、高校時代の担任のH先生。

 

私がむしゃくしゃして教室のゴミ箱をコツンと蹴ったのを見ていたH先生が、ポツリと一言。

 

「お前は今、男らしくないことをしたな」

 

ががーん。

 

静かな口調で言われたのが、余計に堪えました。

 

それ以来30年近く、私は（たぶん）物にあたる行為をしていません。

 

でもH先生にそのことを言っても、100%「そんなこと言ったっけ？」となるでしょう。

 

その他にも、つらい時に家族や友人、スタッフからもらった言葉や笑顔で救われたことがたくさんありますが、たぶん相手は「そんなこと言ったっけ？」でしょう。

 

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きっとあなたの周りでも同じことがあるはずです。

 

あなたの何気ない一言を大事に覚えている人がいる。

 

あなたの普段の笑顔で心が救われた人がいる。

 

あなたは気づいていないけど誰かを助けている。

 

特別良い人になろうとせずとも、いいことを言おうとせずとも、普段のあなたが周りに良い影響を与えています。

 

また、あなたも周りの人の何気ない言葉や態度に励まされて生きています。

 

お互いに知らず知らずのうちに「あなたのおかげで」と感じ合う。

 

人と人との付き合いは、そんな素敵な一面があるように感じます。

 

覚えてなくてもあなたの存在が誰かの役に立っている、そのことを覚えていてもらえたら嬉しいです。

 

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私たち鍼灸師も、患者さんからの何気ない一言で、日々気づかされたり、励まされたりしています。

 

問診で「あの後、体にこういう変化がありました」と教えていただいたことが、治療の大きなヒントになることも多々あります。

 

「すごく楽になった」と笑顔でいただけた時、私たちもエネルギーが湧いてきます。

 

私たちも患者さんからいただいている言葉や笑顔にお返ししていけるように、今後も励んで参ります。